文系社会人と京都、と大阪
文系社会人の年末年始の移動
年末年始、所用があったために青春18きっぷを購入したところ、所用に2回使用し、3回分残ってしまった。1回は奈良に行くために使用し、残りの1回で京都に初詣に、最後の1回で大学に友人に会いに行こうと決めた。
文系社会人因縁の地、京都、とちょっと大阪
金なら〇〇、銀なら〇〇
京都には少なからぬ因縁がある*1。
現役時代に京都大学理学部を受験し、不合格となり、
浪人時代に京都大学総合人間学部を受験し、不合格となり、
大学時代に京都大学法学部編入試験を受験し、不合格となり、
つい昨年京都大学の職員採用試験を受験し、不合格となった。
あと1回不合格を揃えれば「金なら何やら、銀なら何やら」に応募が出来そうである。
4回も受験したのには理由があり、当初理系の研究者を目指していたために理学部を受験し、不合格となったので今度は文系で大学に入った後転部しようと模索した。法学部の編入試験はイスラーム法学を学ぼうと思ったからであり、職員採用試験は転職しようと思ったからである。
そんなこんなで悉く京都大学に弾かれている私にとって、いつしか京都は因縁の地となっていた。にも拘わらず、京都に初詣に行くとはどのような風の吹き回しか、と自分でも愕然とした。
理由としては一度貴船神社に参ってみたい、という好奇心が挙げられる。
よく聞く名前だったので、どういった場所なのだろうか、と思っていた。京都駅からの行き方を調べてみると、
(京都~東福寺はJR、東福寺~出町柳は京阪、出町柳~貴船口は叡山電鉄)
とのこと。
謎の因縁を振り払うためにも、朝から始発電車に乗って取り敢えずは貴船口を目指した。
ワンマン電車、謎の改札
因縁の京阪出町柳駅を乗り越え、叡山電鉄出町柳駅に向かう。電車の雰囲気がガラッとレトロになり、やってきた電車を見るとドアが一部しか開かない。所謂ワンマン単線電車である。そのまま仙人とかが出てきそうな山奥まで電車に揺られ、降り立った先は謎のICカードリーダーのついた棒が突っ立っている人気のない駅。霧煙る山の中、どんよりとした天気の下山奥の貴船神社目指して歩くことにした。
↑貴船口から貴船神社に向かう山道にて。木々が鬱蒼と生い茂る中、アスファルトの山道を進む。
仙人や天狗が出ると言われてもおかしくない雰囲気の中、山道を進む。時折歩いている人や車が通る中、山道を川に沿って歩いていく。季節がよければきっと涼しく癒されるハイキングなのだろうが、1月上旬ともなれば寒いことこの上ない。恐らく都市部と1~2℃温度が異なると思われる。延々と30分くらい歩いて行った先に料亭っぽい雰囲気の店が何軒か立ち並んでいる場所があり、その中ほどに貴船神社に向かう石段があった。
こんな寒い季節にも拘らず、観光客は少なからずいた。まあ私も観光客のようなものなので何とも言えないが。日本人だけでなく、中国人らしき人も見かけた。参拝もグローバル化が進んでいるな、などと思いつつ、本殿に参拝する。祈願するのは勿論、医学部進学のことである。参拝後貴船神社の名物(?)水占いを試すと、「末吉」と出た。学問は「困難 勉強せよ」とのこと。取りあえずしっかり結んで運の好転を祈願しておくことにした。
このおみくじ、驚くべきはQRコードが入っていることである。どうやらおみくじのQRコードを読み取ると、数か国語に翻訳されるらしい。神社のグローバル化が進んでいるなと思った一コマであった。また、神社に看板が立てられており、InstagramやTwitter、FacebookといったSNSアカウントを持っているとのこと。また、「今日の思い出をSNSに残して~」といったことが書かれていたため、時代は進歩したなあ、としみじみと思った。
さて次は
朝異常に早起きをしたことによる眠気と空腹とで死にかけていたものの、貴船神社の周りにはコンビニがあるわけでもなく、またすぐに食べ物にありつけそうな場所もなかったため、帰りはバスに乗って貴船口まで戻り、叡山電鉄で出町柳駅に向かった。
何はともあれ腹ごしらえ、と出町柳駅周辺のラーメン屋で昼食をとり、地下鉄今出川駅から京都駅まで戻ると、次は大阪に向かうことにした。電車で30分ほどなので、うつらうつらとしている間に到着。「天満の天神さん」に会いに行くことにした。
イベントで人がごった返す
大阪で乗り換え、JR東西線の北新地駅から大阪天満宮駅へと向かう。歩いて5分もしないうちに、人を沢山見かける一角を発見し、そちらに行くと大阪天満宮が存在した。
どうやら私が行った日は丁度イベントの日だったらしく、多くの人や屋台が存在した。賽銭も所謂賽銭箱ではなく、本殿前にネットが張られていてその手前に柵があり、柵とネットの間に投げ入れる形式であった。何とも正月らしい雰囲気である。
やはりここは絵馬を書いてお守りを買おう、とこれまた人の多い売り場に向かうと、合格祈願のセットのようなものがあった。3000円でお札、お守り、絵馬、祈願用の紙、イベント参加用のチケットが入っている。絵馬はその場で書いて納め、お札とお守りを持って帰る方式であったので絵馬を書き、所定の場所に吊るしておいた。絵馬の中に「医学部合格」とか「医師国家試験合格」と書かれたものがあったので、同じような場所に、その方々の願いも叶うことを祈って一緒に吊るしておいた。ここでまたもおみくじを引くと、「末吉」。「毎日勉強しろよ」みたいなことが書いてあったので肝に銘じて結んでおいた。
購入したセットの中に入っていたイベントのチケットは、試験を「通り抜ける(=合格)」ことを祈願する、「通り抜け神事」のイベントの参加チケットであった。ここまで来るのも労力がかかるものである、ちょうどその日は大安だったので参加することにした。
既に多くの人がそのイベントに参加するために並んでいたため、その列の最後尾に並ぶ。やはり受験生らしき人が多かったが、中には孫のためにと並ぶ高齢の方や子供のためにと並ぶ親御さんもいた。都会ともなれば小学受験、中学受験もあるのだろう。
いざイベントが始まると気分としてはバーゲン会場と並んで乗るテーマパークのアトラクションを足して2で割ったような感じであった。人で溢れかえり、イベントの見物人がスマートフォンを構え、神社関係者がメガホンで注意を呼びかける中で行われるイベント(神事)、神聖さがあまり感じられなかったが、やはり信心が大事というものである、しっかり祈願しておいた。
記録、共有、拡散される神事
一日に二か所の神社に参ったわけだが、貴船神社ではSNSに関する立て看板と、神社の到る所を撮影して回る人々を見かけ、大阪天満宮では我が子の「通り抜け神事」参加姿を動画に収めたり、カメラで撮影したりする人々を見かけた。
何とも奇妙な感覚だが、そういうのは別段撮影するべきものでもなかろうに、と少なからず思ったのは事実である。神社的にはその方が知名度が上がっていいのかもしれないが。
それを言えば私のこの記事も記録、共有、拡散していることになるのだが。
ちなみに大阪からの帰り、受験に関する本を購入した。
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