文系社会人のイベントレポート:医学部学士編入編
参加したのが約半年前だがイベントについて書いてみる
更に言えば、参加したのはこのブログが開設される前になる。
rodofaesculapius.hatenablog.com
此方の記事で医者になるための方法の一つとして、「日本の大学の医学部に編入学し、卒業する」というものを挙げた。所謂「学士編入」である。
その学士編入とはどのようなものなのか、それを知るために河合塾KALSの新大阪校で行われるイベントに参加してみた。
10年先を考えて行動せよ
新大阪駅で昼食を済ませ、河合塾KALS新大阪校に向かうと、教室は満席に近かった。見た感じ自分よりも年上の人が多く、男女比では男性の方が多かった。
最初に大阪大学大学院医学系研究科の教授による話があった。パワーポイントを用いた大阪大学の歴史やら医学部の歴史の説明、教授の専門についての話など興味深い話題が多かった。*1
最後に質疑応答の時間があり、3人ほどが質問をしていた。自分も「手術をする上での手先の器用さはどうやって訓練するのですか、そもそも手先が不器用だと医者になった時に不利ですか」と聞きたかったが、「まずは合格して医学部生になることが大事です」と言われた際のダメージを考慮して尋ねなかった。
質疑応答の中に「医学部受験において年齢は問題となりますか」という興味深い質問をされている方が居た。
その方に対する答えとして、「年齢は関係ない。最近卒業された方の中には60代の方も居た」という答えがあったので、自分としては少し安堵した。残りは実力だけか。
教授の話の中に、「10年先の自分がどうでありたいかをよく考えなさい、それを見据えて日々の行動を決めなさい」といったような内容の話があった。
どのような医者になりたいのか、それでどうしたいのか。入学することが前提条件であり、入学しなければ話にならないのは明白だが、それらを決めず入学しても目標を見失うだけであろう。深い言葉であった。
合格者の話と、講師の話
その後は講師の話と合格者の話という、こういったイベントにはよくある構成だった。
講師の話を要約すると、学士編入は情報が少ない上に、手に入れるのも難しい場合が多い、とのことである。また、一般入試と学士編入試験、両者の関係性などについても説明されていたので、要点をここにまとめておきたい。
- 数学の有無→一般入試にはあるが、学士編入試験にはない
- 両立は難しい→学士編入試験の試験時期は夏~秋、一般入試(国公立)の試験時期は冬、と分断されている上、問題の性質も異なるため
また、面接や小論文の対策にもつながるであろう話もされていた。
「自分の専門を変えてでもやりたいことは何か」
社会人の場合は積み上げてきた経験や叩き上げてきたスキルがある。それらの専門、謂わば自分の「武器」を、捨ててでも医者になりたい理由があるのか。これもよく考えなければならないなと思った。とはいえ、自分はまだ社会人になったばかりなので大した専門があるかと言われればそんなにないなぁ、という感じであるが。
合格者による合格体験談は、一人は大阪大学、もう一人は滋賀医科大学の人によるものだった。
二人の話を要約すると、
- 自分を知る
- ストレスを溜めない
- 周囲に流されない
- 点数を上げる
- 自分の弱点から目を逸らさない
- なりふり構わず徹底的にやり抜く
- 自分で考えてやり抜くことのみが結果を出すことに繋がる
とのことである。
これは学士編入試験に限らず、普通の試験でも通じるものがある。
あとは、面白い勉強方法として、「TwitterでNature等をフォローし、それらが呟く論文を読む」というものがあった。
本イベントの意義&感想とか
結果として、学士編入試験についてよくわかるイベントだった。
河合塾KALSの役に立つ資料も貰えたし、会場では使用されているテキストの閲覧も可能だった。また、全体のイベントが終了した後は河合塾KALSの講師や合格者に個別に相談することが出来るブースもあった。
しかし、同時にこのイベントに参加した結果、私は学士編入試験を経て医学部に進学する、という方法を取ろうとは思わなくなった。
科目ごとの向き不向きや、新たに勉強しなければならない科目が多いこと、情報が少ないこと(それ故に予備校に頼らなければならない上に費用がかさむこと)を鑑みると自分には不利な点が多いと分かった。
とはいえ、新大阪駅で美味しいものも食べられた上に、選択するにあたっての情報も手に入ったので全体としては満足のいく一日だった。
もしよろしければ応援してくださると心より喜びます。
隣でFFXVをプレイする様子を聴きながら